落ちた先は、蒼でした

HiHi Jetsや猪狩蒼弥さんへの備忘録

夏の『ドラゴンフライ』に想いを馳せて

今回は今年の夏、私がTDCで出会った彼ら二人への想いを馳せた個人的な解釈と感想のお話です。

 

 

 

 

本日はタイトルの通り、HiHi Jets SummerParadise 2022の中で披露された「ドラゴンフライ」の感想を少し。


「ドラゴンフライ」は HiHi Jetsのオタクならほぼ八割は聴いたことあるであろう曲。

そして結構な人気曲だと思ってます。
私個人としても、HiHi Jetsの中で一二を争う程に大好きな曲であり、この夏 遂にセットリストの中に組み込まれる1曲として聴くことができました

 

「ドラゴンフライ」という曲は猪狩くん、作間くんが主演を務めた青春ラジオドラマ「オートリバース」の主題歌で、猪狩くんと作間くんの「いがさく」と呼ばれる二人が好きな人は大半がきっと1度は「オートリバース」で拗らせたのではないでしょうか?

私も未だ酷く拗らせている「オートリバース」

いつ何時オートリバースの話しを振られても朝まで永遠に語れる程に心を深く拗らせた作品です。

 

原作味読の方は「オートリバース」是非一度、原作もご拝読ください。

 

 

 

そして、この「ドラゴンフライ」の歌詞は

主題歌になっているラジオドラマ「オートリバース」の原作を書かれている作者 高崎卓馬先生自ら書き下ろされたもので、原作者様が直々に書かれているというのもあり大変に歌詞が素敵で、1小節1小節が小説を読みとくように「オートリバース」という世界観に触れる詩なんですよね。

 

Bメロ

『海を飛ぶ 僕らトンボ それを海とも知らないで』

『海を飛ぶ 僕らトンボ それを無理とも知らないで』

 

このフレーズだけでも、ずっと読み返したい。

トンボは、大きな空を小さな羽で羽ばたきながらその飛んでる空の下が、海とは知らない。

トンボは大きな空を小さな羽で羽ばたきながらこの海を超えることなど、無理とも知らない。

 

それはまるであの時代、あの「オートリバース」の世界を生きる子たちの無鉄砲さにも近く、何でも出来る気がしていた、其れがどれだけ無謀で無茶な事かを知らずに

これをこんなにも綺麗な言葉で表すことが出来るのかと、すごく小説的な表現なんでそれが心に深く染み入るフレーズで堪らないです。

こんな風に歌詞全てに自分なりの感想をぶつけてしまうとそれこそ夜が明けてしまうのでちょっと一区切り。

 

閑話休題

 

 

話しを戻しまして、そんな個人的激重感情溢れた思い出の曲「ドラゴンフライ」がこの夏のSummer Paradise 2022の後半やっとライブできちんと曲として見ることが出来ました。

(ドラゴンフライは過去、何度か披露はありましたがその際はファンサ曲やアンコール曲だったので)

 

 

 

セットリストのドラマタイアップメドレーと称された中に組み込まれた一曲

 

「ドラゴンフライ」

前曲が終わり、暗転する照明。
舞台が暗くなって数秒『ザザッ……』と小さな、ほんと一瞬の雑音がスピーカーに入る。
瞬間的に「ラジオだ…」そうわかる、あのラジオ独特の周波数を合わせる時の一瞬の雑音が響き。

そして『ガチャ』とテープがひっくり返る、音。


その音に続いて聴こえたのが、作間くん演じる高階のセリフでした。

 

 


高階『嫌いなんだよ、オートリバースって』

 

少しぶっきらぼうな声。ああ、高階だ…。

そう一瞬で思わせる声。

いつぶりに出会った彼だろう、でもこの声は作間くんではなく高階で。それは、直の方も同じ。

続く声は猪狩くんではなく、直だった。

 

直    『なんでだよ…便利じゃん』
高階『嫌いなんだよ、勝手にひっくり返るから』

 

この台詞の後、二人の声でタイトルコール

高階『青春ラジオ小説、オートリバース』

 


直と高階の 二人の声を追うように流れ出した「ドラゴンフライ」のイントロは

ステージを見ている目だけでなく、記憶という記憶に結びつくように聴覚でも未だに忘れることは出来ない演出でした。

 

まさか、いつか彼らのライブで聴きたいと心から望んでいた『ドラゴンフライ』が、いつまでも胸の中で酷く拗らせたままの『オートリバース』を介して始まるなんて思いもしなかったから。

もう、言い様のない想いが込み上げる。

だって…まさか、直と高階の台詞から入るなんて。

高階の少しぶっきらぼうな言葉じりに、直の少し自信の無さが浮かぶ でも柔らかな声。

それは正しく、直と高階で。

 

あの日、我々が高階と直を追いかけた日々、オートリバースをラジオから聴いていた時のままのような音声、直と高階の声、終わりにいつも流れていた主題歌への音のタイミングがその場所で全て再現されていて気づくと私は泣いてしまいました。

 

そして「ドラゴンフライ」のイントロと共に上から垂れ幕が5つ降りて始まります。元々、Islandfesで披露されたダンスが凄く好きなのですが、今回はローラーでの演出。

 

5つの垂れ幕の間を自由に滑る5人。
元の振りである柔らかな手の動きと足の小さなステップ、大きく羽ばたく腕で感情を表現していく振りも凄く好きなのですが、今回のローラーを交えた振り派まるで五体のトンボがステージを飛ぶようで、垂れ幕を広げる手は羽根のよう、軽やかなローラーと揺れる垂れ幕は自由に空を飛ぶトンボを思わせました。

まるであの場所に空を見てるようで。

 

 

曲の終わりがけ、はしみずゆとの3人はステージ上からはけてステージには、猪狩くんと作間くんだけ。

ステージの真ん中で背中を合わせる二人。

 

作間『会いたい この胸の穴はあなた』
猪狩『ああ痛い この胸の穴はあなた』

 

背中を合わせ、決して交わることはない視線。

作間くんはどこか遠くに手を伸ばし
そして猪狩くんは、自分の胸の中へと募らせるように心をギュッと握りしめる。

 

これは個人的な解釈なのですが、

作間くんの歌う『会いたい この胸の穴は貴方』は高階の胸の中の穴=小泉今日子
猪狩くんの歌う『ああ痛い この胸の穴は貴方』は直の胸の中の穴=高階 だと解釈していて。

 

だからこそ最後、作間くんは遠くに憧れに手を伸ばすように
猪狩くんは失くしたものを掴もうと虚空に手を伸ばして掴めず、埋まることのない穴を狭めるように胸の真ん中を強く掴むのだと思うと、いっそう苦しく。

(2公演ほど見て、毎回少し違うのですが私のみた公演の猪狩くんは最後には心をしまい込むようにしていました)

毎回、ここで泣き腫らしていました。

 

 

また私はラストの二人の歌い方が本当に好きで、もちろんこれは私の受け取り方もあるのですが…

作間くんはどこか〝あなた〟に届けるように少しだけ明るく、でも猪狩くんはどこか〝あなた〟をこの場所に留めるように聴こえて、ここの猪狩くんの声による気持ちの表現が凄く堪らなくて。

「ドラゴンフライ」に置ける、猪狩くんの歌声に乗せる感情が際立っている所だと勝手に思っています…。

 

私が猪狩担なのもありますが、『ドラゴンフライ』で1番聴きたかったのは、終わりの此処。

そして曲は静かにフェードアウトしていき、二人でそっと歩いていく、

 

 

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この瞬間だけは 二人とも「猪狩蒼弥」「作間龍斗」と言うよりも「橋本直」と「高階良彦」だったと思います。

 

 

 

 

 

あの日、あの場所で『ドラゴンフライ』を歌うあの瞬間だけは 猪狩くんも作間くんも心に直と高階をいたんだろうな、と感じました。

 

 

だからこそ、私はこの夏の彼らにまた出会ったのだと

そんな、ひと夏の一曲の回顧録でした。

 

最後まであまり纏まりのない自己解釈強めの文を長く読んで頂きありがとうございました。

 

 

いつかまた何か書くタイミングがあれば『オートリバース』そして、私は『ドラゴンフライ』は2番の髙橋さんの出だしのパートの歌詞が凄く好きなので、そのお話でも出来たらなと思います。

(あと、多分ですがライブで使われていたセリフは取り直しだとおもいました)